税理士の経営・財産・相続トピックスVol.024「利益はどこで出ている?」
病院のお客様には、診療科別で損益を計算させて頂くケースが増えてきています。
先日、ある病院の理事長先生に診療科別の損益を報告させて頂きました。
理事長先生は、大変楽しみにしておられました。
外科系でご自身でも手術をされておられ、「利益は自分の診療科が一番大きい」と信じておられました。
ところが、利益が一番大きいのは内科でした。理事長先生の診療科の外科系は赤字でした。
これを見られて大変ショックを受けておられました。外科系が華々しい病院だけにショックも大きかったのでしょう。
また、ある病院ではリハビリが有名でしたが、セラピストの人員が多過ぎて、1人あたりの生産性が大変低く、リハビリで利益が出ていないことが分かりました。
このように、イメージと現実の利益は、結構な確率で反対のことがあります。
医療に限りませんが、目立つものが利益を出しているとは限りません。
全体がうまく行っていると、部分的な課題が見えなくなるものです。
特に看板商品的なものに現実の目を向けることは、勇気が必要でしょう。
診療・薬・検査・リハビリ等々の行為別、診療科別、外来と入院別など、損益の把握の仕方にはいろいろな視点があります。
まずは、入院・外来別、病棟別の損益からでも把握が出来るように、私たちもお手伝いできるよう努めてまいりたいと思います。
(2015年9月1日 税理士法人日本経営 代表社員税理士 丹羽修二)
本稿は一般的な内容を分かりやすく解説したものです。実際の税務・経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、税理士など専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。
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